PS4ゲーム『地球防衛軍5』が売り切れ、ヒットの影にオヤジの共感あり(日経トレンディネット)



 2017年12月7日に発売した、PlayStation 4(PS4)用ゲームソフト『地球防衛軍5』(以下『5』)が好調だ。発売日直後から市場在庫が品薄となり、大手小売店などでは売り切れたという。

【関連画像】PS4用ゲームソフト『地球防衛軍5』。2017年12月7日発売、PlayStation4、パッケージ版/ダウンロード版7800円(税別)(C)2017 SANDLOT (C)2017 D3 PUBLISHER

 『5』は、「地球防衛軍」シリーズの6作目となるタイトルで、ディースリー・パブリッシャーの屋台骨を支えるヒット作だ。シリーズ1作目は、同社の低価格シリーズ「SYMPLE2000」の1タイトルとして、2003年に発売された『THE 地球防衛軍』。低予算で制作した、映画に例えるなら単館上映作品といった位置づけのタイトルだったが、そこから14年間続く人気シリーズに発展した。特に、前作『地球防衛軍4.1』(2015年4月発売)はコンスタントに売れ続け、2017年11月時点で22万本に到達する息の長い製品になった。

 最新作『5』はその勢いのままにリリースした意欲作。「発売日ま初回でに13万本超のオーダーが入り、過去最高の出荷数での滑り出しだった。逆に店頭で消化できるのかが心配だった」とディースリー・パブリッシャー上席執行役員の岡島信幸氏は振り返る。

 その心配をよそに、発売後も『5』は高い消化率で売れ続け、一時的に流通在庫がなくなる事態に見舞われた。「店舗での売れ行きが想定以上だった」と岡島氏はうれしい悲鳴をあげる。この調子でいくと、クリスマス前までに25万本超が売れる見込みで、前作が約2年半かけて達成した数字をわずか1カ月足らずで達成してしまうことになる。

 2017年に発売したゲームタイトル(家庭用ゲームソフト)全体を見ても、トップ20に入る快挙だ。しかも、他のメジャータイトルのように10億円を超えるような開発費をかけている作品ではないのだ。

オヤジなりの特撮作品のこだわりが冴える

 ヒットの理由は、こだわり抜いた開発姿勢への信頼と、新たな若年層顧客の獲得の2つにあるだろう。1つめの信頼は、ブレない開発陣の存在が大きい。第1作目から『地球防衛軍』シリーズを開発してきたスタジオ、サンドロットは中核メンバーが14年前から入れ替わっていない。

 「みんな僕と同じアラフォーかアラフィフのおじさんばっかり」と岡島氏は笑う。「しかし、おじさんならではの職人気質というか、昔ながらのゲームの作り方を維持しているからこそ、このシリーズの面白さが損なわれない」と同氏は見る。

 近年のゲーム制作では、仕様書を重視する傾向がある。大作になればなるほど、関係者が増え、時には海外スタジオとのやり取りも発生するからだ。仕様書にまとめられた情報をベースにゲームを開発していくことになるが、その際、仕様書には書かれていないことまでをくみ取ってゲームを制作してくれるクリエイターは多くないという。

 「昔から一緒に作ってきたクリエイターばかりだし、地球防衛軍の面白さってここだよね、というツボを理解している」と岡島氏はサンドロットに全幅の信頼を置く。一度作っては壊し、また作っては壊しという、効率性を重視する開発体制からすると無駄に思える作業を繰り返すことで、「地球防衛軍」ならではの面白さを追求できるという共通のビジョンがあるのだ。

 そして、このような開発のこだわりが、「世の中のオヤジたちの共感を勝ち取っている」と岡島氏は胸を張る。例えば、地球防衛軍に登場するキャラクター、武器、メカ、怪獣(敵キャラ)などの表現方法は、往年の特撮作品の文法に則っている。大型怪獣との戦闘シーンで、援軍として登場する「EMC」は映画「ゴジラ」シリーズなどに出てくる「メーサー兵器」と同系列のデザインで、怪獣映画には欠かせないメカ。この辺りは、「特撮ファンの心をくすぐる」ポイントだ。このように、「地球防衛軍はわかっている」という“信頼関係”を、開発チーム内だけではなく、顧客との間にも構築してきたことが、ヒットにつながったのだろう。

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